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木工 自作 工作 手作り

角鑿盤



ちょっと、四角いほぞ穴を開ける必要が出てきて、角鑿盤アタッチメントを作ってみました。いつもなら、手鑿で開けるのですが、がたが出たり曲がったりで全く下手なのに嫌気がさし、機械でほぞ穴を開けられるなら都合がよいと思ってはいました。そこで、角鑿盤の鑿の部分だけを以前買ったのですが、一寸やってみて上手く行かず、そのままになっていたのです。

角鑿盤を作ると言っても、むろん、そのためだけに専用の機械をどうこうする買うつもりもないし、また帯鋸盤のように完全に作る気も当然ありません。最初から考えていたのはボール盤を使う事でした。


当初は、卓上型の小型のボール盤を使うつもりだったのですが、一寸試してみて全く力が足りない事が分かりました。本来金槌で鑿を叩き込むのですから、小型ボール盤では殆ど食い込まないのです。そこで、大型のボール盤を使う事にしました。むろん、専用に改造するのではなく、必要なときにアタッチメントで取り付けられるようにするわけです。




上記が概念を示す図ですが、ボール盤の柱に角鑿の四角いホルダーがちょうどはまって全体が上下できるようにし、中のビットだけが回転するようにすればよいわけです。





大体出来たアタッチメントです。これをボール盤のスタンドに取り付けます。







アタッチメントの側面です。下側の長い板の部分に鑿の外側の四角いホルダーの為のガイドをつけます。







これは角鑿のアタッチメントですが、本体は左側の二つです。左端の撞木錐のようなカッターがその隣の四角いホルダーの中で回転します。このホルダーの下端は鑿になっており、上から押しつけると刃先が木材に食い込みその内側を中で回転するカッターが削り取るわけです。つまりカッターを回転させながら同時に外側のホルダー/鑿を押し下げるわけで、とうぜんホルダーは回転させてはなりません。







そこで、上記のようにセットします。即ち右上のセッターをカッターシャフトにはめ、セッターで、その下のスラストベアリングを介して、ホルダーをカッターと同時に押し下げます。シャフトが回っても、ホルダーは回転せず、アタッチメントのガイドの中で上下に動くわけです。







アタッチメントをボール盤に取り付け、角鑿本体はチャックに取り付け、四角いホルダーが鉄製のガイドに沿って回転せずに上下に動きます。角鑿全体を押し下げるのは、回転するチャックです。なお、ホルダーのガイドとなる部分は、その後ろの蝶ネジで細かく位置決めが出来ます。アタッチメントをボール盤に取り付けるたびに微妙にホルダーの位置がずれるために、これは必要です。







かなり強い力が必要ですが、きちんと四角い穴が開きます。ガイドの位置などをもう少し工夫し、きちんと予定の場所にホルダーが食い込めるようにするつもりです。また工作物はよほどしっかり固定しないと切り取ったほぞ穴からホルダーが抜けてくれません。

もう少し改良すればもっと使いやすくなると思います。

と言う事で何度か工夫しながら試してみましたが、結果として期待したほど便利ではない、というよりつけ外しがかなり時間を食うし、位置あわせがかなり難しく、多分何カ所もほぞ穴を開けるときなどは利用しても良いと思いますが、私の場合は従来通り叩き鑿で開ける方が手っ取り早く、正確に出来ます。

むろん正式な角鑿盤ならそんな事はないのでしょうが、ボール盤に取り付けるアタッチメントでは精度がどうも出ません。もともと、このボール盤自体が精度を云々出来る代物ではないのですが。

それに、十分な穴を開けるには相当の力で押し下げる必要があります。どうもボール盤が「止めてくれぇ〜」と悲鳴を上げているようで、やはり無理なのかも知れないと思いますね。

これを作るに当たって、本来の角鑿盤がどのように使われるかは調べましたが、本来はビットの外のホルダーは、それ自体がビットと連動して下がるのであって、私がやるように回転するチャックで無理矢理押し下げるわけではありません。それが無理をさせているのかも知れません。

ビットが材料に食い込むとき、ホルダーは10mm位上にあって、つまりビットが十分な丸穴を開けてからホルダーがその内側を四角に削ると言う仕掛けです。これをチャックだけにさせるのは無理なのではないかと思います。

また、正式の角鑿盤では、押し下げレバーが非常に長く、かなりの力を主としてホルダーにかけているようです。ボール盤も鉄材などに16mm位のドリルで穴を開ける事もありますからそれなりに押し下げる力に耐える物と思いますが、だからといって押し下げレバーを長い物に替えればそれなりに本来想定する以上の力がかかりそうです。








試しに、叩き鑿でほぞ穴を作ってみましたが、よほど早く、そして正確な(私の技術でさえ)物が出来ました。まあ、この角鑿盤アタッチメントはどうも失敗でしょうね。もっと工夫すれば良いかも知れませんが、それだけの労力をかける価値があるとも思えません。ボール盤を虐待するのも気が引けますし。










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